2022年10月20日
サマリー
2022 年5月11 日、経済安全保障推進法が成立した。近年、インフラ企業を対象とするサイバー攻撃が多発しているため、経済安全保障推進法では、電気、通信、金融等のインフラサービスが安定的に提供されるよう、インフラ企業が重要設備(システムを含む)の導入等を行う場合に、政府が事前に審査する制度が導入された(2024 年2月までに適用開始予定)。問題がある場合、導入等の方法の変更や中止が勧告・命令される。
本制度によりサイバー攻撃のリスクの低減が期待されるが、サイバー攻撃への対処には複数の防衛手段を取るなど、総合的なサイバーセキュリティ対策が重要である。さらに、インフラサービスに加え、米国の制度では保護の対象である、国民の機密個人データや先端技術等の保護・流出防止策についての検討も望まれる。
対象事業者の範囲等は今後政省令で決定される予定だが、対象となる可能性のある金融機関は、導入しようとしているシステムの設計・開発等に、サイバー攻撃を行っている主体と指摘されている中国・ロシア・北朝鮮の関係企業等が関わっていないか、調査しておくのが望ましい。
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