2017年09月29日
サマリー
◆2017年5月26日、「民法の一部を改正する法律」が成立し、同6月2日に公布された。いわゆる「債権法」の改正である。
◆具体的に企業が消費貸借契約を結ぶ(お金の貸し借りをする)場面を想定すると、留意すべき改正点は、①契約書でする消費貸借契約は合意時点で成立すること、②事業用融資に個人保証を付ける場合、公正証書の作成が義務付けられるなど個人保証人の保護が強化されたこと、③法定利率が当初年3%・3年毎に見直しの変動制とされたこと、④譲渡しない特約がある債権も原則譲渡が可能になったこと、などが挙げられるだろう。
◆改正内容には、法定利率など根本的な見直しもあるが、従来、判例や業界ルールなどで取り扱われてきた実務を改めて法律で規定した(明文化した)にとどまるものも多い。企業には、改正が自社の業務にどう関係するのかを十分検討した上で、必要に応じて社内ルールの見直しなどの対策をとることが求められる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
不行使議決権は会社のもの
株主総会を変えるエクソンモービルの個人株主議決権行使プログラム
2025年10月07日
-
株主提案天国は終了か?:テキサス州法改正
株主提案権制度をSEC規則による規制から州法による規制に変える
2025年05月19日
-
東証投資単位引き下げで変わる株主総会
議決権1つの価格が下がれば、株主提案権も「大安売り」に
2025年04月28日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
-
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
-
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
-
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第226回日本経済予測(改訂版)
低成長・物価高の日本が取るべき政策とは?①格差問題、②財政リスク、を検証
2025年09月08日
聖域なきスタンダード市場改革議論
上場維持基準などの見直しにも言及
2025年09月22日
今後の証券業界において求められる不正アクセス等防止策とは
金融庁と日本証券業協会がインターネット取引の新指針案を公表
2025年09月01日
日本経済見通し:2025年9月
トランプ関税で対米輸出が大幅減、製造業や賃上げ等への影響は?
2025年09月25日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日