株式対価の公開買付け

自社の株式を対価とする場合は、有利発行規制の可能性

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サマリー

◆9月28日、株式を対価とする公開買付けの公開買付開始公告がなされた。日本では通常、公開買付けは金銭を対価としており、株式を対価とする公開買付けは日本では初めてと考えられる。

◆株式を対価とする公開買付け自体は、金商法上は認められている。しかし、公開買付届出書と同時に有価証券届出書・有価証券通知書の届出が求められる場合がある。

◆会社法の観点からは、対価が自社の株式の場合は、実際上有利発行規制に該当し、株主総会特別決議を経る必要があると考えられる。

◆税法の観点からは、公開買付けに応じた株主に譲渡益課税が課されると考えられ、納税資金を得るために、取得した株式が売却され、株価が下落する可能性がある。

◆結論として、一般的に、株式対価の公開買付けは、実際上難しいと考えられる。

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