サマリー
◆2025年1-3月期(以下、1-3月期)の実質GDP成長率は前期比年率▲0.3%と、2022年1-3月期以来のマイナスとなり、市場予想(Bloomberg調査:同▲0.2%)を下回った。内訳を見ると、追加関税を背景とした駆け込み輸入が全体を大幅に押し下げた。他方で内需については、屋台骨である個人消費と住宅投資が減速した一方、設備投資が大幅なプラスとなった。その結果、米国経済の自律的な成長を反映する民間最終需要は同+3.0%と好調を維持した。もっとも、民間最終需要についても追加関税措置の本格化を前にした駆け込み需要が含まれているとみられ、割り引いて見る必要がある。
◆4-6月期の実質GDP成長率については、内需の減速が見込まれる。1-3月期からの反動が生じ得ることに加え、家計や企業が景気の先行き懸念から慎重姿勢を取るとみられる。外需については駆け込み輸入からの反動が想定される一方で、関税の交渉次第では駆け込み輸入が続き得ることに加えて、輸出は対中国を中心に下振れ幅が大きくなる可能性がある。現時点では、メインシナリオとして4-6月期に実質GDP成長率のプラス転換を見込むものの、内外需ともに関税政策に左右されやすく、テクニカルリセッション(2四半期連続でのマイナス成長)の可能性は排除できない。
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