サマリー
◆米国経済はポストコロナへの移行を進め、4-6月期の実質GDP成長率は前期比年率で10%を上回る高い伸びとなると見込まれる。他方で、先行きにおいては、インフレ加速リスクが顕著になりつつある。
◆こうした中、6月のFOMCでのタカ派的な結果は市場にサプライズを与えた。FOMC参加者はインフレ加速が一時的という基本姿勢は変えていないものの、想定以上に継続する可能性も警戒し始めている。6月のFOMCのタカ派化の意味は、市場がインフレ加速リスクを織り込み切れていないことに警鐘を鳴らすことであったと考えられる。
◆インフレ加速に対する市場とのFOMC間の温度差があればあるほど、FOMCがいざテーパリングや利上げの議論を進めることができると判断した場合に、2013年に起きたようなテーパータントラム再発の恐れが増すことになる。今後は、こうしたインフレ加速リスクを市場が徐々に織り込んでいけるかが、テーパータントラムの再発を防止する上でも重要となる。
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