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米国経済見通し 回復の雲間から見える不安

バイデン氏が大統領選挙を勝つ上でも、景気テコ入れ策がカギに

2020年08月21日

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

サマリー

◆S&P500が最高値を更新し、経済指標も改善を続けている一方で、企業はW字回復(再度の景気悪化)を懸念し、家計は追加支援を決めきれない政治の停滞に対する不信感を強めている。トランプ大統領は追加支援に関する大統領令に署名したが、実際に実行可能かは不透明である。

◆米国経済の先行きに対する不安が残る一方で、政治はすでに11月の大統領・議会選挙モードに突入した。民主党の全国党大会が8月17-20日に開催され、バイデン氏が民主党大統領候補者として正式に指名された。指名とともに採択された、事実上の公約である民主党綱領を見ると、国内問題への対応に傾倒していることがわかる。

◆綱領は必ずしもバイデン氏の志向する政策と一致しないが、世論の重視する経済政策の充実度はバイデン氏が大統領選挙を勝ち抜けるか否かを左右するカギとなる。民主党の経済政策は、低所得者やマイノリティへの対応を多く含みつつも中道寄りの内容にすることで、幅広い有権者の支持を取り込もうとしている。

◆他方で、米国経済の先行きに対する不安が残る中、バイデン氏は景気回復を進める短期的な施策も今後のトランプ大統領との討論会等で問われる可能性が高い。課題は残るものの、トランプ大統領は追加支援に関する大統領令に署名するなど、景気テコ入れ策を打ち出しており、支持率も幾分改善した。バイデン氏にとっても、民主党議員と協働し、短期的な施策と将来の理想像を模索する、両にらみの戦略が必要となるだろう。

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