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失業率は11.1%と市場予想を上回る低下幅

2020年6月米雇用統計:雇用環境の改善は喜ばしいが、更なる財政支援の機運低下が懸念点

2020年07月03日

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

サマリー

◆6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月差+480.0万人、失業率は11.1%と、いずれも市場予想(Bloomberg調査:非農業部門雇用者数同+305.8万人、失業率12.5%)を上回る改善幅となった。市場予想を良い意味で裏切る結果が2ヵ月連続で続いており、雇用環境の改善が想定以上のスピードで進んでいるともいえる。

◆今回の雇用統計が金融政策運営に変更をもたらすことは考えにくい。7月1日に公表された6月のFOMC議事録の中で、米国経済が4月を底に回復の兆しを見せていることを認める一方、依然として先行きに対する不透明性の高さを指摘している。FRBは慎重なスタンスを維持したままである。

◆他方で、雇用統計の良好な結果が、更なる財政支援に向けた機運を低下させ得ることが懸念点といえる。7月末には失業保険の増額期限が到来することになるが、共和党は様子見姿勢を続けている。ただし、失業保険の増額期限の延長が真に必要なのは、共和党なのかもしれない。州知事が共和党の州では新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、経済活動の再開(リオープン)を緩やかに進めざるを得ないからである。大統領選挙を控え、共和党・民主党間の合意に向けたハードルは高まるが、新型コロナウイルスの感染再拡大という共通の敵の前で党派を超えた政治的決断をすることができるかが注目される。

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