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FOMC 流動性供給を当面の間は維持

サプライズはなしも、金融政策の先行きを巡って地ならし開始

2020年06月11日

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

サマリー

◆2020年6月9・10日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、0.00-0.25%に据え置いた。流動性供給策に関する修正の有無が注目されていたが、声明文の中で現在の米国債等の購入ペースを継続することが表明された。金融環境は改善しても、経済の下振れリスクが大きい中で、FRBは様子見姿勢を継続したと考えられる。

◆今回の焦点の一つであった、FOMC参加者による経済見通し(SEP)においては、短期・中期について大きなサプライズはない。ただし、長期見通しに関しては、実質GDP成長率の中央値が下がり、失業率の大勢見通しの下限値が切り上げられた。新型コロナウイルスによる悪影響が長期にわたって続くことを懸念するFRBのスタンスが確認できた。

◆経済見通しと同様に注目点である、FOMC参加者のFF金利の見通し(ドットチャート)に関しては、2020年末から2022年末まで、中央値は0.125%と現在のFF金利水準が維持されるとの予想が示された。ドットチャートの形状を見ても、ばらつきは少なく、実質ゼロ金利を当面の間維持するという見方がFOMC参加者の中でコンセンサスとなっているといえる。

◆今回のFOMCでは、金融政策は据え置かれ、経済見通しやドットチャートも概ね想定の範囲内であった。ただし、金融政策及びフォワードガイダンスの先行きを巡って、地ならしが始まっている。マイナス金利が否定されたこと、流動性供給策の変更のハードルの高さ、イールドカーブコントロールに関する議論が進められていること、が示唆されたといえる。

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