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雇用者数は期待外れも、それ以外は堅調

2019年8月米雇用統計:総賃金は大幅に加速、労働参加率も上昇

2019年09月09日

ニューヨークリサーチセンター 研究員(NY駐在) 矢作 大祐

サマリー

◆2019年8月の非農業部門雇用者数は前月差+13.0万人と、市場予想(Bloomberg調査:同+16.0万人)を下回る期待外れの結果となった。過去分に関しても下方修正されており、総じて冴えない。他方で、8月の失業率は3.7%と低水準を維持している。労働参加率も、3ヵ月連続で上昇するなど雇用のすそ野の拡大が進んでいる。

◆8月の民間部門の平均時給は前月比+0.4%となり、市場予想(Bloomberg調査:同+0.3%)を上回る結果となった。低失業率に比べて、出遅れ感のあった賃金上昇率が追いつく動きとも考えられる。労働時間も増えた結果、総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)の伸びは、大幅に加速するポジティブな結果となった。

◆雇用・所得環境の先行きに関しては、不確実性の高まりが企業の採用姿勢の重石となりうることは引き続き懸念される。ただし、完全雇用をほぼ達成し、雇用者数が伸びにくい中、賃金が堅調に推移する限り、雇用者数の伸びの鈍化を悲観すべきではないだろう。

◆なお、今回の雇用統計の結果を受けて、次回(9月17・18日)FOMCで0.25%ptの利下げを行うとの大和総研の見方に変更はない。パウエルFRB議長が示すように、利下げが良好な経済見通しを支える一因になっているからである。ただし、労働市場は堅調であり、景気後退を予期していないとも指摘していることから、景気後退期のような大幅な利下げはしないと考える。

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