サマリー
◆米国経済の注目点は、利下げを巡る議論の行方である。利下げ可能性が示された前回(6月18・19日)のFOMC(連邦公開市場委員会)以降、利下げの妥当性と時期の見極めが続いていた。FOMCの参加者による最近の発言を踏まえれば、次回(7月30・31日)会合における利下げは既定路線化している。
◆マーケット参加者の中では、次回の利下げにとどまらず、年内複数回の利下げを期待する声が多い。しかし、足元の堅調な実体経済や、今後インフレ率が上昇する可能性を踏まえれば、年内複数回の利下げは容易ではないだろう。
◆また、マーケット参加者の利下げ期待に結び付いた金融環境を適切に維持することが、利下げの根拠の一つとして考えられつつある。ただし、FOMC参加者はマーケット参加者が期待する際限なき利下げに対して警戒感を示しており、更なる利下げには抑止力が働くだろう。
◆こうした年内複数回の利下げ期待とハードルの高さ、という両者の乖離が、マーケットにおける急激な調整を引き起こさないかが懸念される。FRBとマーケット参加者がコミュニケーションをしっかりと行い、ソフトランディングできるかが今後の米国経済を見通す上でカギとなる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 景気下振れの懸念強まる
雇用環境が悪化傾向を示す中、屋台骨の個人消費は楽観しづらい
2025年08月22日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
GENIUS法、銀行とステーブルコインの邂逅
ステーブルコインは支払決済手段として普及するのか?
2025年08月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
-
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
-
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
-
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
のれんの償却・非償却に関する議論の展望
2025年07月07日
日本経済見通し:2025年7月
25年の賃上げは「広がり」の面でも改善/最低賃金の目安は6%程度か
2025年07月22日
対日相互関税率は15%で決着へ-実質GDPへの影響は短期で▲0.5%、中期で▲1.2%-
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.2%減少
2025年07月23日
新たな相互関税率の適用で日本の実質GDPは短期で0.8%、中期で1.9%減少
相互関税以外の関税措置も含めると実質GDPは中期で3.7%減少
2025年07月08日