サマリー
◆2019年4月の非農業部門雇用者数は前月差+26.3万人と、市場予想(Bloomberg調査:同+19.0万人)を上回った。雇用者数の増加ペースは2ヵ月連続で拡大し、米国の労働市場の底堅さを改めて確認させる結果であったと言える。
◆家計調査による4月の失業率は、横ばいを見込んでいた市場予想に反して、前月から▲0.2%pt低下の3.6%と、1969年12月以来となる歴史的低水準を記録した。しかし、失業率低下の主因は労働参加率の低下であり、失業率の低下を過度にポジティブに評価すべきではない。
◆4月の民間部門の平均時給は前年比+3.2%と市場予想(同+3.3%)を下回った。失業率が歴史的低水準まで低下しているにもかかわらず、賃金については加速感が見られず、落ち着いたペースでの上昇が続いている。
◆賃金上昇率に加速の兆しが見られなかったことから、インフレ率の落ち着きを根拠の一つとしたFedの様子見姿勢は当面、維持されることになろう。雇用者数の力強い伸びを踏まえれば、米国は内需主導での景気拡大が続く公算が大きく、債券市場が雇用統計公表後も織り込んでいる年内の利下げが実施される可能性は低いだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
米DTCC、トークン化株式の本番取引を開始
証券トークン化、ウォール街の基幹的なポストトレード業務へ移行
2026年10月08日
-
米雇用者数は大幅減速、過去分も下方修正
2026年9月米雇用統計:ただし、均してみれば雇用環境は底堅い
2026年10月05日
-
米長期金利を押し上げる利上げ織り込み加速は妥当か
むしろ警戒すべきは金融環境のタイト化による景気のオーバーキル
2026年10月01日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
-
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
-
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
-
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
-
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日
国税庁が非上場株式評価の方向性を公表
簿価純資産と収益力で評価する「残余利益方式」に統一の方向
2026年09月08日
GPIF経営委員会の8月開催が意味すること
基本ポートフォリオ見直しに向けて第一歩を踏み出したのか
2026年09月01日
日米協調介入は円安の是正にどこまで効果を発揮したのか?
更なる介入の合理性は低下。レジーム転換の有無が今後の焦点に
2026年09月14日
コーポレートガバナンス・コード改訂の焦点
企業の自律的な判断と実質を伴う説明が問われる
2026年08月27日
第230回日本経済予測(改訂版)
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年09月08日

