サマリー
FRBによる金融政策の正常化が、これまでの金融緩和によって醸成さたバブルを崩壊させるきっかけになることが懸念されている。しかし、現状、米国の家計、企業、銀行に過度なリスクテイクは見られない。家計の負債は所得対比で見れば、なおも低水準にある。企業では負債が増加しているが、これは内部留保による純資産拡大がROEを低下させる効果を相殺するため、および社債発行による自社株買いによるものである。銀行は、金融緩和による資金を、金融規制への対応から主に安全資産に振り向けてきた。
今後の金融政策のリスクとしては、資産価格の上昇を理由にした利上げの継続、バランスシート縮小に伴う金利上昇、銀行預金の流出に注意が必要である。
トランプ政権および議会共和党は、民主党政権の下で制定されたドッド・フランク法の見直しを進めている。ただし、同法の抜本的改正ではなく、主に、中小金融機関の規制負担を軽減する法改正や金融規制当局の規則で変更可能なレベルでの対応を目指すものであり、金融危機の再発を防ぎつつ、いかに米国経済を活性化させるかが注目される。

大和総研調査本部が長年にわたる知識と経験の蓄積を結集し、的確な現状分析に基づき、将来展望を踏まえた政策提言を積極的に発信していくとのコンセプトのもと、2011年1月に創刊いたしました。
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