サマリー
◆2017年6月13日~14日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、政策金利であるFF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを、従来の0.75-1.00%から0.25%pt引き上げ、1.00-1.25%とすることが決定された。利上げについては、市場で事前にほぼ織り込まれており、想定通りの結果である。
◆FRB(連邦準備制度理事会)が保有する資産の規模については、現状の水準を維持することが決定されたが、経済がFOMC参加者の想定通りに改善が続いた場合には、2017年内にバランスシートの縮小を開始することが明言された。ただし、縮小後の最終的なバランスシートサイズや、バランスシート縮小の具体的な開始時期は示されなかった。
◆FOMC参加者の政策金利の見通しを見ると、2017年末の中央値は1.375%と、3月時点の見通しから変わらず、年内にあと1回の利上げを行うのがコンセンサスという結果となった。2018年末時点についても、2.125%と前回見通しから変わらず、中央値ベースでは3回の利上げを見込んでいる。
◆金融政策の先行きを考える上では、今回の声明文で示されたように、インフレ率の動向が最も重要となる。追加利上げが行われるためには、足下で減速しているインフレ率が再び、目標である2%へと加速していくという確信が得られる必要があるとみられ、そのためには少なくとも数ヵ月間はインフレ関連指標を見極める必要があろう。
◆バランスシートの縮小に関しても、あくまで経済指標を見極めた上で開始されることになろう。また、2013年のテーパー・タントラムのような事態を避けるために、金融市場に事前に十分織り込ませる必要がある。開始時期、および最終的なFRBのバランスシートサイズに関する市場のコンセンサスができないうちは、FRBはバランスシート縮小に踏み切りづらいだろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
FOMC 4会合ぶりに金利据え置きを決定
政治的介入で金融政策運営は一層見通しづらい
2026年01月29日
-
デジタル通貨覇権競争の幕開けと次世代決済の展望
『大和総研調査季報』2026年新春号(Vol.61)掲載
2026年01月26日
-
米国経済見通し 犠牲になるのは財政
中間選挙を控え、オバマケアの税額控除の期限を再延長か
2026年01月21日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

