個人消費が想定以上の減速

2017年1-3月期米GDP:2014年1-3月期以来の低成長

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2017年05月01日

  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2017年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+0.7%となり、マイナス成長であった2014年1-3月期以来で最も低い成長率に留まった。前期(同+2.1%)からの減速自体は想定されていたものの、市場予想(Bloomberg調査:同+1.0%)を下回る低成長となり、ネガティブな結果であったと言える。


◆実質GDP成長率が大幅に減速した主な要因は、個人消費が前期比年率+0.3%と想定外の低い伸びに留まったことである。加えて、在庫投資が前期比年率寄与度▲0.93%ptと、GDP成長率を大きく押し下げたほか、政府支出が前期比年率▲1.7%と3四半期ぶりの減少に転じたこともGDP成長率が減速する要因となった。


◆消費者マインドは非常に高い水準を維持していることを考慮すると、所得対比で見た1-3月期の個人消費の伸びは物足りない。1-3月期は暖冬や税還付の遅れといった一時的要因が影響した可能性にも鑑みると、4-6月期以降は所得並みのペースで個人消費も増加することが期待される。

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