サマリー
◆QE3(量的緩和第3弾)による新規の債券買い入れを停止した米FRB(連邦準備制度理事会)のバランスシートは、総額と資産構成に大きな変化はない。
◆新規の買い入れ停止後、時間が経過して保有する債券の残存期間が短期化している。QE3終了後の経過期間ほど短期化していないが、再投資によってデュレーションを維持することは行っていないとみられる。
◆負債サイドでは、銀行券発行残高が増えて、バランスシートを縮小すべき幅は小さくなっていることになる。また、リバースレポの利用が増えていることは、さらなる利上げ時に弊害を招く懸念があり、FRBにはバランスシートの縮小ニーズがある。
◆FRB保有分の債券は、市場における相対的な位置づけが低下し、再投資減額のインパクトは小さくなっていくとみられるが、バランスシート縮小の影響は、MBS市場で相対的に大きくなる可能性がある。
◆FRBにバランスシートを縮小させたいというニーズがあり、縮小すべき幅は徐々に小さくなって、市場の動揺を招く懸念は低下している。保有債券の満期が相次いで到来することは好機であり、バランスシート縮小に着手する時期は近づいていると考えられる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
-
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
-
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
-
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
日本経済見通し:2024年2月
2025年度にかけて1%前後のプラス成長と2%インフレを見込む
2024年02月22日
ビットコイン現物ETF、日本で組成可能か?
米SEC承認を受けて、日本で導入することの法制度上の是非を考察
2024年02月13日
第220回日本経済予測(改訂版)
賃上げの持続力と金融政策正常化の行方①自然利子率の引き上げ、②投資と実質賃金の好循環、を検証
2024年03月11日
日本経済見通し:2024年3月
24年の春闘賃上げ率5%超えを受け、日銀はマイナス金利政策を解除
2024年03月22日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日