サマリー
◆トランプ次期大統領は、景気押し上げ効果が期待される減税やインフラ投資などの政策に関して、就任100日以内の法制化を目指すとしている。しかし、財政支出に関しては、2017年10月から始まる2018財政年度予算として審議されるとみられ、効果が出始めるのは早くても2017年10-12月期となろう。
◆一方、減税に関しては、法案が成立し次第、実施可能であることに加え、過去に遡って適用することも可能である。しかし、財政収支が赤字であり、景気の状況が決して悪くないことに鑑みると、過去に遡及して減税が行われるとは考え難い。税制変更は通常、1月1日付で行われるため、2018年1月からの適用を基本シナリオと考える。
◆金融政策に関して、インフレ率の加速によって利上げの必要性が高まる一方で、2017年以降はトランプ次期大統領による政策動向や市場動向への配慮から、FRBは利上げを行いづらくなると見込まれる。FOMC参加者が見込む3回の利上げは、あくまで利上げ回数の上限の目安とみられ、大和総研では2017年は2回の利上げを見込む。
◆2016年の経済成長率は前年比+1.6%と2011年以来の低成長になると予想する。個人消費、住宅投資の伸びが2015年に比べて鈍化することに加えて、設備投資が2009年以来のマイナス成長となり、内需の減速がGDP成長率を押し下げるとみられる。一方、2017年については、前年比+2.2%と2016年からは幾分成長率が持ち直すと見込む。個人消費、住宅投資の家計部門は2年連続で伸びが縮小すると見込まれるが、設備投資は2017年にはプラス成長に転換し、小幅ながら成長率を押し上げる要因になると予想する。
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