サマリー
◆2016年4月26日-27日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、FF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを0.25-0.50%で維持する決定が行われた。今回のFOMCでは利上げ見送りとの見方が市場の大勢を占め、想定通りの結果である。
◆声明文では、個人消費とインフレに対する現状認識が下方修正された。ただし、労働市場を中心とした個人消費のファンダメンタルズの底堅さを背景に、経済の先行きに対する見方はほとんど修正されなかった。また、3月のFOMCにおいて利上げを先送りする最大の要因となった海外経済と金融動向のリスクに関する表現は削除された。
◆FOMCメンバーは、海外経済、金融動向への懸念を後退させ、個人消費を中心とした米国経済の先行きの強さに対する信認は失っていないことから、緩やかな利上げ継続へのスタンスを維持しているとみられる。6月に追加利上げを行う可能性は十分に残されていると言えよう。
◆インフレ動向への評価が課題であることは変わらず、今後は実績としてのインフレ率の上振れ、ないしはインフレを押し上げるのに十分と考えられる個人消費の力強さや賃金の上昇が確認される必要があろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年の米金融政策の注目点
利下げタイミングや回数、中立金利の変化、次期議長の影響に注目
2025年12月26日
-
米GDP 前期比年率+4.3%と加速
2025年7-9月期米GDP:個人消費が全体をけん引
2025年12月24日
-
2026年の米国経済見通し
底堅くも脆い「K字経済」は続く
2025年12月24日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

