サマリー
◆3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で指摘された市場動向、海外経済動向、インフレ動向などを確認する必要がある。株価回復、ドル高一服など金融環境は改善した。注目すべき対象は、実体経済の強さを背景にしたインフレ率上昇などにシフトするだろう。ただし、経済動向を測りにくくしているノイズもある。
◆雇用者数の増加が続き、労働参加率が持ち直しに向かうなど、労働市場は着実な改善が続いている。他方で、個人消費はやや減速し、住宅投資も頭打ちとなるなど、所得環境の改善に照らすと家計需要は力強さに欠ける。企業部門については、鉱工業生産が減速傾向にある一方で、これまで悪化してきた製造業の景況感に持ち直しが見られている。
◆足下までの統計を踏まえると、2016年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+1%を下回る小幅な伸びに留まるとみられる。個人消費の伸びが鈍化することに加えて、設備投資、輸出の減少が下押し要因になると見込まれる。ただし、米国経済は内需、とりわけ個人消費の増加を牽引役に、緩やかな景気拡大が続くという基本シナリオに変更はない。
◆4月のFOMCでは新たな統計で確認する必要性があろうが、経済動向がまだら模様の状況で、利上げを示唆する内容まで踏み込むのは困難であろう。4月に利上げを示唆することはなく、「口先」で利上げの可能性を市場に織り込ませつつ、6月のFOMC直前までデータの確認を続けることとなろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
米国経済見通し 利上げの理由を問う
ファイティングポーズ?中立金利の上昇?不安定な期待インフレ?
2026年09月18日
-
共和党大会で読み解く米中間選挙の注目点
「トランプ大統領の選挙」との位置付けは、諸刃の剣か
2026年09月18日
-
FOMC 約3年ぶりに0.25%ptの利上げを決定
FOMC参加者は2026年内に0.25%ptの追加利上げを予想
2026年09月17日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

