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米国経済見通し 持ち直しへの期待

まだら模様の状況ながらドル高一服など金融環境は改善

2016年04月20日

政策調査部 主席研究員 土屋 貴裕

経済調査部 シニアエコノミスト 橋本 政彦

サマリー

◆3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で指摘された市場動向、海外経済動向、インフレ動向などを確認する必要がある。株価回復、ドル高一服など金融環境は改善した。注目すべき対象は、実体経済の強さを背景にしたインフレ率上昇などにシフトするだろう。ただし、経済動向を測りにくくしているノイズもある。


◆雇用者数の増加が続き、労働参加率が持ち直しに向かうなど、労働市場は着実な改善が続いている。他方で、個人消費はやや減速し、住宅投資も頭打ちとなるなど、所得環境の改善に照らすと家計需要は力強さに欠ける。企業部門については、鉱工業生産が減速傾向にある一方で、これまで悪化してきた製造業の景況感に持ち直しが見られている。


◆足下までの統計を踏まえると、2016年1-3月期の実質GDP成長率は前期比年率+1%を下回る小幅な伸びに留まるとみられる。個人消費の伸びが鈍化することに加えて、設備投資、輸出の減少が下押し要因になると見込まれる。ただし、米国経済は内需、とりわけ個人消費の増加を牽引役に、緩やかな景気拡大が続くという基本シナリオに変更はない。


◆4月のFOMCでは新たな統計で確認する必要性があろうが、経済動向がまだら模様の状況で、利上げを示唆する内容まで踏み込むのは困難であろう。4月に利上げを示唆することはなく、「口先」で利上げの可能性を市場に織り込ませつつ、6月のFOMC直前までデータの確認を続けることとなろう。

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