FOMC 再利上げにはインフレ動向を重視

海外経済および金融市場動向に一定の配慮

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2016年01月28日

  • 土屋 貴裕
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2016年1月26日-27日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、FF(フェデラルファンド)レートの誘導目標レンジを0.25-0.50%で維持する決定が行われた。今回のFOMCでは利上げ見送りとの見方が市場の大勢を占め、想定通りの結果である。


◆声明文では、米国経済の現状認識は下方修正された。労働市場の力強い改善が強調される一方で、家計支出、設備投資への評価がわずかに慎重な表現に改められ、在庫投資の減速への言及が増えた。インフレ期待は下方修正された。経済の先行きについても慎重さが増え、世界経済と市場動向を見極めることへの文言が追加され、一定の配慮が示された。


◆前回FOMCの議事要旨でインフレ動向の議論が活発であったことが明らかになっており、地区連銀総裁からもインフレ期待の低下を懸念する発言があった。金融政策の長期目標の確認において、セントルイス連銀のブラード総裁がインフレ率低下懸念を強調すべきとして、反対票を投じており、インフレ動向をより重視している可能性が高い。


◆次回、3月のFOMCでは、金融市場の混乱の影響を含め、初回利上げ以降の影響を見極めるために得られる情報が限られる。また、原油価格のさらなる低下でインフレ率上昇が現実のものとなる時期は先送りされつつあることから、政策金利目標は据え置かれると予想する。

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