サマリー
◆2015年7-9月期の実質GDP成長率は前期比年率+1.5%となった。在庫投資の寄与度が大幅なマイナスになったことを主因に、成長率が減速した。また、輸出の伸び悩みにより、外需(純輸出)が2四半期ぶりのマイナス寄与となったこともGDPを下押しした。
◆在庫投資と外需を除いた国内最終需要は前期比年率+2.9%となり、堅調な増加が続いている。在庫投資の大幅な減少も堅調な内需を反映したものと捉えれば、先行きに対しては好材料であり、今回のGDPはヘッドラインほどには悪い内容ではなかったと言える。
◆先行きに関しても、米国経済は個人消費を中心とした内需主導の拡大が続くと見込んでいる。ただし、完全雇用の状態が近づき、雇用者数の増加ペースは以前ほどには高まらない可能性がある。成長が加速するためには、賃金上昇ペースの加速が必要となろう。また、個人消費を起点とした内需の拡大が、足下で弱含む製造業の回復に繋がり、投資需要を喚起するかが重要なポイントである。
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