サマリー
◆9月のFOMC(連邦公開市場委員会)で、利上げ開始を先送りした主な背景は、海外経済の下振れや金融市場の混乱がもたらす短期的なインフレ率の下振れの可能性であった。年内利上げ派が多数とみられるが、内外の経済や市場が混乱するリスクが高まる場合には、利上げ開始時期を先送りするだろう。
◆10月から新年度となり、財政の問題が顕在化しつつある。連邦政府の予算は12月11日までの暫定予算が成立したが、11月上旬には債務上限問題が控えている。12月にかけて、経済や市場が混乱するリスクが高まる可能性がある。
◆現在の米国経済にはやや軟調さが見られる。製造業の活動などが不振で、非製造業は相対的に堅調である。ただ、悪化した消費者のマインドは、株価が持ち直しつつあることで改善してきた。内需の回復に対して輸出が伸び悩んでいる。
◆米国経済の拡大のドライバーはあくまで非製造業部門を中心とした雇用の増加と、個人消費の増加であり、輸出の減速をきっかけに腰折れするとは考えづらい。ドル高や海外経済の減速に注視すべきではあるが、内需主導の景気拡大が続く見通しである。
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