FOMC 9月利上げ開始も視野

賃金上昇を確認するまで政策判断はニュートラル

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2015年07月30日

  • 土屋 貴裕
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2015年7月28日-29日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、事実上のゼロ金利政策を維持し、保有する資産規模を維持することを決定した。利上げを示唆する情報は盛り込まれず、利上げ開始時期についてはニュートラルとなる。


◆米国経済の現状認識は緩やかに拡大しているとされ、6月の前回会合から据え置かれた。労働市場と住宅市場に対する評価が前回会合からわずかに上方修正されており、内需を中心とした景気拡大が続いていることを指摘する内容となった。


◆利上げ開始には、「合理的な確信」が得られる必要があり、雇用の更なる質的改善が確認される必要があるとみられる。原油安、ドル高によって物価の先行きに対する不透明感が増す中で、インフレ率を押し上げるのに十分な賃金上昇などが確認される必要がある。


◆今回の結果は全会一致で、「タカ派」とされるメンバーについても、利上げ開始に向けて、労働市場関連指標の更なる改善を確認する必要性を認識していると言える。利上げ時期の判断に向けて、雇用統計の重要性が一層増すこととなる。

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