FOMC ハト派の印象を与えたイエレン議長

景気認識は上方修正、先行きの見方も明るさを増す

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2015年06月18日

  • 土屋 貴裕
  • ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 橋本 政彦

サマリー

◆2015年6月16日-17日に開催されたFOMC(連邦公開市場委員会)では、事実上のゼロ金利政策を維持し、保有する資産規模を維持することを決定した。今回のFOMCからいつでも政策変更を判断するとされていたが、1-3月期のGDP成長率が下振れし、ゼロ金利政策維持は想定通りの結果である。


◆今回のFOMCにおける米国経済の現状認識は、4月の前回会合から上方修正された。冬季の一時的要因に関する言及は削除され、足下で景気は回復基調に復しているという認識が示された。


◆経済の見通しは、2015年が下方修正され、2016年以降は小幅に上方修正された。2015年の下方修正は、1-3月期がマイナス成長となったことが主な要因とされ、先行きに対する見方は明るさが増したと考えられる。利上げ開始決定には、労働市場のもう一段の改善と、輸入物価下落によるインフレ率の押し下げ圧力が後退する必要性が示唆された。


◆加えて、最初の利上げ決定時に市場に不要な悪影響をもたらさないよう地均しを進めていると考えられる。市場との対話を進めるイエレン議長の記者会見は、声明文や公表資料よりもハト派的な印象をもたらしたと言えよう。

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