米国の雇用拡大ペースは、再び大幅に減速

8月の米国雇用統計:非農業雇用者数、失業率ともに前月と変わらず

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2011年09月05日

サマリー

◆8月の非農業雇用者数は前月から全く増えなかった。市場予想を下回り、2010年10月からの雇用拡大がストップしたことになる。注目される民間部門も1.7万人増と前月の15.6万人増から急ブレーキがかかった格好である。冴えない結果になった背景として、ストライキによって5万人近く下ブレしたという一時的要因が挙げられる。だが、この特殊要因を考慮しても、今年前半(1~4月)の平均増加ペース20.4万人増から、後半(5~8月)は9.8万人増に大幅に減速することになる。政府部門の減少が止まらない状況は変わらないほか、7月好調だった製造業や小売が久しぶりにマイナスに転じたことが響くなど、民間部門の生産やサービスの両セクターで広範囲にわたって雇用創出力が限定的であった。また、雇用者数以外でも、労働時間や時間当たり賃金が前月水準を下回るなどネガティブな材料がみられる。

◆8月の失業率は9.1%とこちらも前月と変わらず。ただ、過去2ヶ月と異なって労働参加率は上昇しており、単純に就業者が増えた点を評価できよう。だが、この結果は事業所調査における非農業雇用者の伸び悩みとは必ずしも整合的ではなく、どちらが雇用環境を正しく表しているかという悩ましい話が付きまとう。結局、失業率よりも非農業雇用者数を重視する姿勢は変わらない。

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