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米雇用改善のペースダウン続く、昨年の二の舞か

6月の雇用統計:非農業雇用者数は1.8 万人増、失業率は9.2%

2011年07月11日

ロンドンリサーチセンター シニアエコノミスト(LDN駐在) 近藤 智也

サマリー

◆6月の非農業雇用者数は前月差1.8万人増と9ヶ月連続で増加したが、5月の2.5万人増に続く一ケタ台にとどまった。2~4月の月平均増加ペース21.5万人増から大幅に減速しており、この2ヶ月間は、雇用者がほとんど増えていないと言ってもいいだろう。予想を大きく下回った点は民間部門も同じであり、6月は5.7万人増と10年5月以来の小幅増に。企業の採用意欲が低下しており、労働時間や賃金も頭打ちになっている。右を見ても左を見てもポジティブな部分が見当たらず、あまりに悪すぎて衝撃的としか言いようがない。2010年年央のように民間部門の増加幅一ケタ台が続けば、年後半の景気回復シナリオに黄色信号がともることになろう。

◆失業率は9.2%と市場予想に反して3ヶ月連続で上昇。ここ3ヶ月間の上昇幅は概ね同じだが、内容的には一番悪いと言える。就業者の大幅な減少に加えて、労働参加率の低下が失業率の上昇幅を抑制しているからだ。仮に仕事を探して労働市場にとどまっていれば、統計上の失業率は9.4%台に跳ね上がっていたとみられる。6月の変化は質的な面を考慮すると、今後失業率は緩やかに低下するという金融当局の想定からやや逸脱したものだろう。一方で、自発的な離職者が増えたほか、労働市場に参入したものの、うまく仕事が見つからなかったケースも失業率押上げにつながっている。これらの要素は、景気回復局面では避けられない現象である。

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