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日本経済見通し:2021年4月

変異株による三度目の緊急事態宣言で景気の下振れリスクが高まる

2021年04月20日

経済調査部 シニアエコノミスト 神田 慶司

経済調査部 エコノミスト 山口 茜

経済調査部 エコノミスト 小林 若葉

サマリー

◆2021年1月の世界貿易量は過去最高水準を更新する一方、国際観光客数は前年を9割近く下回り、国内では感染リスクを伴うサービスを中心に消費が抑制されている。感染拡大の影響が観光・飲食・娯楽業などに集中した結果、経済活動の業種間格差はリーマン・ショック後並みに拡大した。一方、企業の期待成長率は製造業・非製造業のいずれも感染拡大後に低下していない。リーマン・ショック後とは異なり、資本ストックや労働投入量の調整が比較的短期間で終了した一因になったと考えられる。

◆10都府県に適用された「まん延防止等重点措置」は実質GDPを1カ月あたり0.4兆円程度下押しすると試算される。大阪府は国に対して緊急事態宣言を要請する方針であり、東京都も本格的な検討に入った。感染力の高い変異株の流行によって多くの地域で感染爆発が発生すれば、2020年春の緊急事態宣言のような厳しい措置を余儀なくされ、4-6月期の景気は大幅に悪化するとみられる。変異株の流行には引き続き細心の注意が必要であり、ワクチン接種を迅速に進める重要性が一段と増している。

◆当面の景気見通しという観点からは、半導体不足によって自動車の国内生産が抑制される影響に留意する必要がある。仮に国内の自動車生産が半導体不足によって50万台減少すると、実質GDPへの直接的な影響は▲0.2兆円程度であり、他業種への短期的な影響分を合わせると▲0.5兆円程度となる。影響が長期化すれば、サプライチェーンを通じて幅広い産業に悪影響が広がり、実質GDPの押し下げ幅は▲0.9兆円程度まで拡大する。

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