サマリー
◆日本経済のメインシナリオ :足下の日本経済は一旦「踊り場」入りしたと見られる。2015年4-6月期の実質GDP成長率(前期比ベース)は一時的にマイナスとなる可能性が強まっている。ただし、景気後退局面入りは回避され、日本経済は、①アベノミクスによる好循環が継続すること、②米国向けを中心に輸出が徐々に持ち直すことなどから、緩やかな回復軌道をたどる見通しである。
◆4つのリスク要因 :日本経済のリスク要因としては、①財政規律喪失への懸念を背景とする将来的な「トリプル安(債券安・円安・株安)」の進行、②中国の「バブル」崩壊に対する懸念、③米国の出口戦略に伴う新興国市場の動揺、④地政学的リスクを背景とする世界的な株安、の4点に留意が必要である。
◆日米欧3極の非伝統的金融政策の効果 :今回のレポートでは、日米欧3極の中央銀行がこれまでに採用してきた非伝統的金融政策の効果を国際比較することを通じて、非伝統的金融政策の総括を行うと同時に、先行きへのインプリケーションを探った。試算結果を見ると、FEDのLSAPシリーズが実体経済の改善に最も効果的であったことが確認できる。米国では、LSAP採用後、株価が上昇傾向で推移したことに加えて、他国と比べて家計部門の株式保有比率が高く資産効果が大きかったことから、個人消費が大幅に増加した。他方、CPIへの影響については日銀のQQEⅠが最も大きかった。日銀の金融政策は、実体経済を改善させる効果こそ小さかったものの、大幅な通貨安を実現したことがCPIに対する大きな上昇圧力を生じさせた。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
同じカテゴリの最新レポート
-
主要国経済Outlook 2026年7月号(No.476)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2026年06月24日
-
地政学的緊張が促すAI開発競争
2026年06月24日
-
日本経済見通し:2026年6月
覚書後の中東情勢の影響とAI需要の下支え/消費減税と所得連動給付
2026年06月23日
最新のレポート・コラム
-
米国:AI活用は続くが、「選別」も本格化へ
「選別」は過剰投資を抑制も、信用リスク・資産価格への波及に注意
2026年06月25日
-
熊谷亮丸の経済・金融 Foresight 高市政権の成長戦略、骨太の方針で実質賃金は本当に増加するのか?
①時間あたり労働生産性の引き上げ、②1人あたり労働時間の増加、の2点が1人あたり実質賃金の増加に向けたカギ
2026年06月25日
-
デジタルアイデンティティ・デジタルクレデンシャルをめぐる取組みと実装技術の論点整理(第2部/全3部)
欧州4カ国と日本のデジタルID基盤・ウォレット構築の比較
2026年06月25日
-
主要国経済Outlook 2026年7月号(No.476)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2026年06月24日
-
米国:AIが変える人材需要—中堅・シニア優位も、その持続性は「?」
2026年06月24日
よく読まれているリサーチレポート
-
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
-
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
-
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
-
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
-
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日
超富裕層の株式譲渡所得への税率はミニマムタックス込みで最高35.63%に
2026年度税制改正大綱解説(3)富裕層課税(ミニマムタックス)
2026年02月09日
コーポレートガバナンス・コードの改訂案が公表
本質的な取組みと丁寧なエクスプレインが期待される
2026年04月27日
第229回日本経済予測
混迷する中東情勢、その先で問われる日本経済の構造転換①「持続的成長」の条件、②資産形成と成長の好循環、を検証
2026年05月25日
変革迫られる学校法人の資産運用
AOP対応は、少子化・インフレの荒波を乗り越えるための第一歩
2026年05月07日
日本経済見通し(2026年4月)
中東情勢緊迫による景気下振れリスク上昇で4月利上げは見送りか
2026年04月21日

