サマリー
◆日本経済は景気後退の瀬戸際に:足下の日本経済は減速感が強まっている。9月以降発表された経済指標は、日本経済が景気後退の瀬戸際にあることを感じさせる内容であった。当社は、今後の日本経済は、メインシナリオとして、2012年一杯「踊り場」の状態が続いた後、[1]震災発生に伴う「復興需要」、[2]米国・中国経済の底割れ回避、[3]日銀の追加金融緩和、という「三本の矢」に支えられて、2013年以降、緩やかな回復軌道に戻ると想定している。ただし、日本経済の下振れリスクとして、[1]日中関係の悪化、[2]「欧州ソブリン危機」の深刻化、[3]地政学的リスクなどを背景とする原油価格の高騰、[4]円高の進行、[5]将来的な経常収支赤字化、の5点に留意が必要である。
◆中国における反日デモの影響をどう捉えるか?:今回のレポートでは、中国における反日デモの影響を定量的に検証した。日中関係が急速に悪化した場合、日本経済が相応の打撃を受ける可能性には注意が必要となろう。
◆政府・日銀に求められる政策対応:政策当局は、デフレが継続するなか、日本経済再生に向けて、[1]トップリーダーの確固たる「ビジョン(国家観・哲学)」に基づいた体系性のある政策を実行、[2]「内需」や「需要サイド」のみに固執するのではなく、「外需」や「供給サイド」も重視したバランスのとれた経済政策を実施、[3]消費税引き上げ、社会保障費を中心とする歳出削減などを通じて「財政再建」を実現、[4]政府・日銀がより一層緊密に連携、という4点を柱に据えた経済政策を断行すべきである。特に、上記[4]に関連して、当社は、グレンジャー因果性を用いた分析などによれば、日銀の更なる金融緩和を通じた円安・株高の進行などがデフレ脱却に有効であると考えている。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
主要国経済Outlook 2026年2月号(No.471)
経済見通し:世界、日本、米国、欧州、中国
2026年01月23日
-
日本経済見通し:2026年1月
2026~35年度における経済財政・金利・為替レートの中期見通し
2026年01月23日
-
世界経済の中期見通し
2026年01月22日
最新のレポート・コラム
-
AIの社会実装と加速するインフラ投資
2025年のAI動向と2026年の展望
2026年01月28日
-
直近のMBOによる株式非公開化トレンド
事例比較による公正性担保措置の実務ポイント
2026年01月27日
-
大和のセキュリティトークンナビ 第3回 不動産セキュリティトークンとは?(後半)
不動産セキュリティトークンの発行・流通動向、税制
2026年01月26日
-
大和のクリプトナビ No.6 暗号資産制度WG報告と今後の注目点
業界再編や自主規制機関の体制整備、オンラインでの適合性確保に向けた議論が注目点か
2026年01月26日
-
誰かの幸せが時々つらい。Z世代とみるSNSの変遷
2026年01月28日
よく読まれているリサーチレポート
-
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
-
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
-
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
-
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
中国によるレアアース・レアメタルの輸出規制は日本の実質GDPを1.3~3.2%下押し
供給制約により、自動車産業を中心に生産活動の低迷が懸念される
2025年12月05日
2026年の日本経済見通し
1%弱のプラス成長を見込むも外需下振れや円急落、金利高等に注意
2025年12月23日
生成AIが描く日本の職業の明暗とその対応策
~AIと職業情報を活用した独自のビッグデータ分析~『大和総研調査季報』2024年春季号(Vol.54)掲載
2024年04月25日
中国経済:2025年の回顧と2026年の見通し
不動産不況の継続と消費財購入補助金政策の反動で景気減速へ
2025年12月23日
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日

