サマリー
◆前回のレポートでは、日本のデジタル化政策の羅針盤となる「デジタル社会の実現に向けた重点計画」(以下、重点計画)(2023年6月9日閣議決定)の考え方などの大枠について議論した。今回のレポートでは、この重点計画で示された具体的な施策やその周辺の枠組みなどについて議論する。
◆前回述べた、デジタル社会の目指す方向性、その実現に必要な理念・原則、そして実現可能性を高めるための仕組みに基づいて、重点計画では具体的な施策が整理されている。総じて、デジタル化政策に伴う安全・安心の確保を講じた上で、データ連携やそのための制度整備による利便性向上と付加価値の創出に力点が置かれている。
◆重点計画の発端となった「デジタル社会の実現に向けた改革の基本方針」では、官民の役割分担として「民間が主導的役割を担い、官はそのための環境整備を図る」と明記されている。今後は、企業自らがデジタル化という新しい環境に合わせてその意識や組織を変革できるかどうかが、厳しく問われることになるだろう。
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