サマリー
◆日本のコアCPI上昇率を需要要因と供給要因に分解すると、供給要因だけでなく需要要因もインフレ率を押し上げている。財・サービス別には、とりわけ財物価で需要要因による押し上げが確認される一方、サービス物価については依然として需要要因による寄与度は小さい。財とサービスでの需要要因の寄与度の大きさの違いは、両者の需給のひっ迫度合いとも整合的である。
◆期待インフレ率への影響度合いを推計すると、財と比較してサービスの方が大きい。今後は中高齢者を中心として過剰貯蓄の取り崩しによるサービス消費の拡大が期待できるが、こうした需要の拡大を積極的な値上げ行動に繋げることで、「サービス需要要因」がサービス物価を押し上げることができるか否かが、日本銀行による物価安定目標の達成に向けてポイントとなる。
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