サマリー
主要国の2021年7-9月期のGDP成長率が出そろい、高成長を記録したユーロ圏、前期からの減速が目立つ米国、中国、英国、そしてマイナス圏に沈んだ日本と明暗が分かれた。とりわけユーロ圏と日本で明確な差が生じたが、主因は個人消費にあるとみられる。新型コロナウイルス(以下、コロナ)感染が抑制されたことを背景に、ユーロ圏では夏場に感染防止を目的としたさまざまな規制が段階的に解除され、コロナ禍前の日常を取り戻すべく外食、旅行、娯楽などのサービス消費が活気づいた。一方、日本では9月末まで首都圏を中心に緊急事態宣言等が発出されており、個人消費の冷え込みが目立った。その緊急事態宣言が10月からは解除されて外食や旅行の自由度が増したことで、10-12月期は個人消費が反発し、日本のGDP成長率が他の主要国を上回ると見込んでいる。ただし、世界経済の先行き不透明感を高めている資源高、供給網の混乱、さらに人手不足の問題は長期化し、インフレが加速している国が少なくない。加えて、欧州でコロナ感染が再拡大しており、オーストリアがロックダウン(都市封鎖)に踏み切るなど、感染防止のための規制強化の動きが相次いでいる。欧州における感染再拡大はワクチン未接種者を中心に拡大していること、欧州ではマスク着用義務がなければマスクを着用しない人が少なくないことなど、日本で同様の感染再燃は起きにくいと考えられる材料はあるものの、感染再燃リスクにも引き続き配慮が必要ということであろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本経済見通し:2021年11月
経済見通しを改訂/行動制限の緩和で本格回復に向かう個人消費
2021年11月19日
-
米国経済見通し 高インフレに勝てるか
屋台骨の個人消費は豊富な家計資産が下支えも、来年以降は政治次第
2021年11月19日
-
欧州経済見通し 三重苦に直面する厳しい冬
景気減速と高インフレ、加えてコロナ感染の再拡大に耐えられるか
2021年11月19日
-
中国:カリスマ性乏しき指導者が注力したもの
電力不足問題は改善、不動産販売は急減。経済は低空飛行が続く
2021年11月19日
同じカテゴリの最新レポート
-
2026年8月全国消費者物価
電気・ガス料金支援でエネルギー価格下落、コアCPI上昇率は低下
2026年09月18日
-
日銀、9月会合で1.25%に利上げ 今後も利上げ路線を堅持
家計の利払い負担増は賃金上昇が吸収も利上げ長期化リスクに留意
2026年09月18日
-
2026年8月貿易統計
中東情勢による資源高が続き、4カ月連続の貿易赤字
2026年09月16日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
-
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
-
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
-
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
-
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日
2026年ジャクソンホール会議の注目点は?
ウォーシュ議長はインフレ抑止に対する姿勢を明確に打ち出すか
2026年08月20日
“TACO”指数で読む トランプ大統領の“TACO”化の兆し
市場と世論が映す政策転換のサイン
2026年08月13日
高市政権誕生後の長期金利をどうみるか
2035年に3.3~4.0%程度で、海外保有拡大で更なる上昇も
2026年08月12日
第230回日本経済予測
円安・金利上昇下の日本経済と成長力強化への課題①AI活用による経済への影響、②資産市場と経済の好循環、を検証
2026年08月21日
GPIFガバナンス改革の功罪と課題解決の道
目先の運用見直しの可能性は低いが、硬直的運用への対応が課題
2026年08月13日

