サマリー
◆21年1月7日の緊急事態宣言の再発出を受けて、政府はビジネス目的での外国からの新規入国(ビジネストラック及びレジデンストラック)を1月14日から一時停止している。緊急事態宣言は3月22日に解除されたが、政府はこの措置を当分の間継続する予定である。この措置がどのような産業に影響を与えるのだろうか。
◆外国人労働者割合が比較的高い産業のうち、建設業、農林漁業はコロナショックの悪影響が相対的に小さく、製造業の労働需要は回復が顕著である。さらに、これらの産業の就業者には新規入国者に占める割合が高かった技能実習生が多いため、ビジネス人材の入国停止の影響をより受けやすいと考えられる。
◆日本全体では就業者に占める外国人労働者の割合はまだ低い。しかし、上述した3産業ではコロナショック以前から就業者数の減少を外国人労働者の増加が補っており、就労可能な在留資格保持者は貴重な労働力といえよう。ビジネス人材の入国停止はこれら産業の労働力不足を加速させる要因の一つとなる可能性もあろう。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4-6月期GDP(2次速報)
実質GDP成長率は前期比年率+2.2%に高まるも民間在庫などが主因
2025年09月08日
-
一億自己啓発社会の死角
データが示す、転職志向・子育て・ジェンダーにおける格差
2025年09月05日
-
2025年7月消費統計
需要側統計は強いが供給側は弱く、総じて見れば前月から概ね横ばい
2025年09月05日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
-
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
-
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
-
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
2025年度の最低賃金は1,100円超へ
6%程度の引き上げが目安か/欧州型目標の扱いや地方での議論も注目
2025年07月16日
2025年ジャクソンホール会議の注目点は?
①利下げ再開の可能性示唆、②金融政策枠組みの見直し
2025年08月20日
既に始まった生成AIによる仕事の地殻変動
静かに進む、ホワイトカラー雇用の構造変化
2025年08月04日
米雇用者数の下方修正をいかに解釈するか
2025年7月米雇用統計:素直に雇用環境の悪化を警戒すべき
2025年08月04日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日