サマリー
◆【企業部門】2020年10月の輸出や生産は、国内外の経済活動の再開が進んだことなどを受けて回復基調を維持した。輸出数量指数は前月比+6.6%と5ヶ月連続で上昇し、コロナショック前の20年3月の水準付近まで回復した。米国向け自動車輸出が前月からの増勢を保った。鉱工業生産指数は同+4.0%と5ヶ月連続で上昇した。汎用・業務用機械工業など幅広い業種で上昇が見られた。第3次産業活動指数はサービス産業の回復を受けて同+1.0%となり、5ヶ月連続で上昇した。
◆【家計部門】2020年10月の消費、雇用、賃金はまちまちの内容であった。二人以上世帯の消費額は前月比+2.1%と3ヶ月連続で増加した。対面や移動を伴う消費が増加に寄与した。雇用・所得関連指標では、完全失業率が3.1%と前月から小幅に悪化した。特に自発的な離職による者(自己都合)が失業者数全体を押し上げた。有効求人倍率(季節調整値)は前月差+0.01ptの1.04倍となり1年半ぶりに上昇した。現金給与総額は前年比▲0.8%と、前年割れが続いている。
◆【四半期指標】2020年7-9月期の法人企業統計と実質GDP(2次速報)、12月日銀短観はいずれも前期(前回調査)から改善が見られたものの、総じて景気の本格回復を示す内容ではなかった。法人企業統計では、全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前期比+3.8%と5四半期ぶりの増収、経常利益は同+33.7%と6四半期ぶりの増益となった。実質GDP成長率(2次速報)は前期比年率+22.9%と、1次速報から上方修正された。12月日銀短観によると、大企業製造業の業況判断DI(最近)は▲10%pt(前回差+17%pt)、大企業非製造業は▲5%pt(同+7%pt)といずれも9月の前回調査から改善した。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日