サマリー
◆世界中で注目された11月3日の米国大統領選挙では、民主党候補のバイデン氏の勝利が確定的となった。バイデン氏の掲げる政策は「大きな政府」を志向する伝統的な民主党の考えに沿ったものである。バイデン氏は法人および富裕層に対する増税を提案しているが、増税による税収増以上に大幅な財政支出を掲げ、総じて見れば景気刺激的な政策を目指している。
◆議会でのねじれ継続が見込まれる中、民主・共和両党の意見が対立する政策の実現は難しい。共和党が強硬に反対するオバマケアの拡充などが実現する可能性は低く、財政政策の規模はバイデン氏の公約から大幅に縮小する公算が大きい。ねじれ議会シナリオでは、米国のGDPの押し上げ効果は2022年から2025年の平均で+0.5%程度と見込む。
◆当社マクロモデルを用いた試算では、ねじれ議会下でのバイデン氏の政策が日本の実質GDPに与える影響は、2022年が+0.33%、2023年が+0.54%、2024年が+0.61%と見込まれる。
◆ただし、バイデン氏は“Buy American”による国内製造業の振興を政策として掲げ、公共投資などに伴う米国政府の調達においては、従来以上に米国内からの調達を重視する可能性がある。このため、輸出の増加を起点とした日本経済への影響も限定的となる可能性がある点には留意が必要である。
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