経済指標の要点(9/16~10/16発表統計分)

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2020年10月16日

  • 和田 恵
  • 永井 寛之
  • 経済調査部 研究員 中田 理惠
  • 経済調査部 エコノミスト 岸川 和馬
  • 遠山 卓人
  • 橋本 裕一

サマリー

◆【企業部門】2020年8月の輸出や生産は、国内外の経済活動の再開が進んだことなどから回復基調を維持した。輸出数量指数は前月比+10.5%と3ヶ月連続で上昇した。前月に大幅増加した米国向け自動車輸出が高水準を維持したほか、回復が遅れていたEU向けでは半導体等製造装置などが牽引した。鉱工業生産指数は同+1.0%と3ヶ月連続で上昇した。前月と同様に自動車工業が全体を押し上げた。第3次産業活動指数は同+0.8%と3ヶ月連続で上昇した。8月の高気温を背景に「小売業」や「電気・ガス・熱供給・水道業」などが押し上げた。

◆【家計部門】2020年8月の消費、雇用、賃金はまちまちの内容であった。天候不順の影響が剥落したこと等を背景に財消費が押し上げ、二人以上世帯の消費額は前月から1.7%増加した。一方、雇用・所得関連指標では、完全失業率が前月から0.1%pt上昇の3.0%であった。有効求人倍率は前月から0.04pt低下し、1.04倍となった。新規求人数は前月から2.5%増加したものの、宿泊業などの低操業度での事業活動を強いられている業種では減少した。現金給与総額は前年比▲1.1%であった。

◆【四半期指標】2020年9月短観によると、大企業製造業の業況判断DI(最近)は▲27%pt(前回差+7%pt)、大企業非製造業は▲12%pt(同+5%pt)といずれも前回調査から小幅に改善した。2020年度における全規模全産業の「設備投資計画(含む土地、ソフトウェアと研究開発投資額は含まない)」は前年度比▲2.7%へと下方修正された。新型感染症拡大の長期化が懸念される中で企業の慎重姿勢が強まり、設備投資計画の見直しが広がったとみられる。

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