サマリー
国による状況の違いはあれ、先進諸国は段階的な経済活動の再開に動き始めている。しかし、それは新型コロナウイルス感染再拡大のリスクを伴ったものでもあり、だからこそ景気のV字回復は困難であるというコンセンサスが国、地域を超えて形成されつつある。ウィズ・コロナのニュー・ノーマルにおいて家計、企業、政府に求められる適切な行動様式の模索がしばし続かざるを得ず、だれもが全力疾走することを控えざるを得ないからだ。家計消費に関してはいくばくかのペントアップディマンドの顕在化も見られようが、経済活動正常化への道筋の不透明感が、企業の設備投資を抑制し続けることは必至のように思われる。政府の役割が比較的大きい状況が常態化することも想像に難くない。つまり予想されるのは、世界経済のドライバーとしての民間企業の利益追求活動の位置づけが後退し、国益に基づく各国政府の役割、行動の比重が増す中で、世界経済の成長率の停滞が続くことである。このところ深刻化しつつある米中対立も単なる「再燃」ではなく、ウィズ・コロナの新たな装いをまとったものであるとも考えられよう。そして言うまでもなく、こうした自国中心主義的風潮の強まりは、いわば自己実現的に世界経済の復調の足取りを重くする。そして、恐らくその最大の被害者となるのが、今まさにコロナショックの真っただ中にある新興諸国であろう。逆に言えば、今新興国が必要としているのは、真っ当に機能するグローバル・ガバナンスに他ならない。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
日本経済見通し:2020年5月
産業連関表で読み解く「コロナ禍」-経済的打撃の網羅的整理と展望-
2020年05月22日
-
米国経済見通し 感染収束せずとも進むリオープン
感染状況の差異と政治の季節到来が追加支援の妨げに
2020年05月22日
-
欧州経済見通し 最悪期は脱出も課題山積
コロナだけではないリスク
2020年05月22日
-
中国経済見通し:全人代、アクセルは慎重に
「終息」宣言見送り。成長率目標提示せず
2020年05月22日
同じカテゴリの最新レポート
-
出産年齢から見るChild Penalty①
就業継続の広がりと先行研究から見える課題
2026年11月06日
-
消費データブック(2026/11/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年11月05日
-
2026年7-9月期GDP(1次速報)予測 ~前期比年率+1.5%を予想~
個人消費は小幅減だった一方、設備投資と輸出が実質GDPを押し上げ
2026年10月30日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
-
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
-
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
-
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
-
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日
日本の長期金利、2035年に5%台の可能性
2035年に3.5~4.2%程度で、海外保有拡大で1%pt超の上乗せも
2026年10月16日
増える高齢富裕層とその地域分布
高齢富裕層はどこにいるのか、その資産は今後どこへ向かうのか
2026年10月01日
金利上昇と「資本コストや株価を意識した経営」
金利上昇による資本コスト上昇は限定的だが引き続き要注視
2026年10月13日
預貸率における地域間格差
東京都への一極集中と地域金融機関に期待される対応
2026年10月02日
飲食料品の消費減税による消費行動への影響
買い控え・反動増は限定的。外食支援策は実態を見極めた対応を
2026年10月19日

