2019年10月全国消費者物価

消費増税・教育無償化の影響を除けば、コアCPIの伸びは鈍化

RSS

2019年11月22日

  • 山口 茜
  • 小林 俊介

サマリー

◆10月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.4%と前月から0.1%pt上昇し、市場コンセンサス通りとなった。ただし、消費増税及び幼児教育・保育無償化の影響を除けば同+0.2%であり、前月(同+0.3%)から伸びが鈍化した。コアCPI(消費増税・無償化の影響を除いたベース)の減速の主因は、「電気代」「ガソリン」「灯油」などのエネルギー関連項目の押し下げによるものであり、新コアコアCPI(除く生鮮食品及びエネルギー、同ベース)は同+0.5%と前月から変わらない。

◆10月は料金改定が行われた「火災・地震保険料」「傷害保険料」が大きく押し上げたものの、「携帯電話機」「電気洗濯機(洗濯乾燥機)」などの耐久消費財や、前年の値上げによる効果が剥落した「たばこ」などの押し下げにより相殺された。電気洗濯機は、9月までは増税前の駆け込み需要で価格が上昇していたが、10月に入り需要が落ち込むのに伴い価格も低下したとみられる。

◆先行きの全国コアCPIは、2019年度中は前年比+0%台半ばで推移するとみている。10月のコアCPIは消費増税・無償化の影響により同+0.2%pt押し上げられたが、11月以降は、経過措置がとられていた品目でも新税率が適用されることで同+0.4%ptへと拡大する見込みだ。

このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。

執筆者のおすすめレポート