2019年9月全国消費者物価

エネルギーの押し下げによりコアCPIは2017年4月以来の低い伸び

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2019年10月18日

  • 山口 茜
  • 小林 俊介

サマリー

◆9月の全国コアCPI(除く生鮮食品)は前年比+0.3%と前月から0.2%pt低下し、市場コンセンサス通りの結果となった。2017年4月以来の低い伸び率である。他方、物価の基調を示す生鮮食品及びエネルギーを除くCPIは前月から0.1%pt低下し同+0.5%であった。

◆コアCPIの減速の主因は、「ガソリン」「電気代」「都市ガス代」などのエネルギー関連項目だ。エネルギー全体で見ると、前月に前年割れし、9月はマイナス幅が拡大した(8月:前年比▲0.3%→9月:同▲1.9%)。9月時点で前年割れしているのは「灯油」「ガソリン」「都市ガス代」だが、10月には、原油価格の変化が価格に反映されるのが遅い「電気代」も前年割れする見込みである。そのため、エネルギーは一層減速し、引き続きコアCPIを下押しするとみられる。

◆先行きの全国コアCPIは、2019年度中は前年比0%台前半で推移するとみている。消費増税と各種施策(軽減税率、幼児教育・保育無償化)の影響により、前年比で10月は+0.1%pt、11月以降は+0.2%pt押し上げられる見込みだ。

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