サマリー
◆個人消費は緩やかに増加しているものの、2016年以降は長期トレンドを下回って推移し、平均消費性向は低下傾向にある。二人以上勤労者世帯において、共働き世帯の増加等により可処分所得が大きく増加している一方、50代・60代を中心に消費を抑制しているためである。50代・60代では必需的支出を概ね一定に保つと同時に、選択的支出を大きく減らし貯蓄を積み増している。
◆50代・60代世帯の節約志向が強まる要因として、教育費の増加や、遺産を目的とする貯蓄の積み増しが挙げられる。この点、消費増税に伴って実施される教育無償化や、住宅購入者を対象とする贈与税非課税枠の拡大等により、節約志向はいくらか緩和されそうだ。
◆消費増税は個人消費の下押し要因になるものの、各種経済対策等により大きく腰折れすることはないとみられる。ただし、消費増税対策終了前後の駆け込み需要・反動減には注意が必要だろう。海外経済の不透明感が増すなどリスクは存在するものの、配偶者収入の増加に支えられる家計の所得は堅調に推移するとみられる。メインシナリオとして、先行きの個人消費は緩やかながらも底堅く推移すると見込まれる。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
関連のレポート・コラム
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
-
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
-
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
-
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
-
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日
2024年の日本経済見通し
緩やかな景気回復と金融政策の転換を見込むも海外経済リスクに注意
2023年12月21日
中国経済:2023年の回顧と2024年の見通し
24年の成長率目標は5%か?達成の鍵は民営企業へのサポート強化
2023年12月21日
2024年の米国経済見通し
①個人消費の腰折れ、②インフレ率の高止まり、③政治の停滞がリスク
2023年12月21日
2024年度税制改正大綱解説
定額減税は経済対策としては疑問だが、インフレ調整策としては有効
2023年12月25日
四半期報告書の廃止に関する改正法の成立
四半期報告書が廃止された後の四半期決算短信の内容は?
2023年12月04日