サマリー
米欧中央銀行のハト派化に加えて、中国景気の底入れ観測が、グローバル経済の先行きに対する不安を和らげ、世界的な株価の好調を後押ししている。実際、中国の1-3月期の成長率は4四半期ぶりに下げ止まった。ただし、中国経済の先行き、及びその世界経済との関係についてはいくつか注意しておくべき点がある。一つは、足下の中国経済が政策措置に支えられていることである。特に、インフラ投資は基本的に国内の国有企業を担い手とし、グローバルなサプライチェーンを通じて世界経済を刺激する効果は限定的と考えられる。中国の(再度の)投資依存的成長率底上げは、資源国などには朗報であろうが、先進国や周辺アジア諸国は交易条件の悪化に直面する可能性が高く、それを打ち消すだけのメリットを享受し得るかは、政策措置を起点として、中国の内需の好循環が実現するかに依存する。だが、これに関して確度の高いシナリオを描くことは現状困難であろう。また、景気の底入れが確認されれば、中国政府の政策的優先課題は、すぐさまデレバレッジに回帰するかもしれない。過重債務という荷物から解放されない限り、中国政府にとっても成長率は高ければ高いほど良いというものではないはずだ。中国が当面の世界経済の重石となる懸念が後退したことは素直に評価すべきだが、グローバルな波及効果と拡大の持続性は慎重に見極めていくことが求められよう。
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