サマリー
◆【18年10-12月期GDP個人消費】前期比+0.5%と、2四半期ぶりに増加したと予想する。7-9月期は酷暑に加え度重なる自然災害に見舞われたことが重石となっていたが(7-9月期:同▲0.2%)、10-12月期はそうした要因が剥落し持ち直したとみられる。
◆【18年12月の消費】需要側で減少、供給側で増加と対照的な結果になったものの、総合的に判断すると前月から概ね横ばいで推移したとみられる。需要側に関して、家計調査では、増加・減少項目ともに同調査のサンプル数の少なさに起因するぶれの大きい項目の動きが目立ったが、そうした要因を除くと前月から横ばいで推移した。CTIミクロは大幅に減少したものの、これはサンプル数の少ない単身世帯の交通・通信や食料消費支出のぶれによるものとみられ、それを除けば小幅な減少に留まる。他方、供給側統計では、PayPayのキャンペーン効果で家電量販店などの機械器具小売業が好調であった。
◆【先行き】実質個人消費は一進一退が続くとみている。これまで、労働需給のタイト化に伴う名目賃金上昇の効果は物価高により相殺されてきたが、11月以降原油価格が大きく下落したことで、足下では実質賃金も上昇している。ただし、人手不足に伴う賃金上昇を賃金カーブのフラット化や残業削減によって企業が相殺することにより、名目賃金の上昇ペースが鈍る可能性には注意が必要だ。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
執筆者のおすすめレポート
-
2018年11月消費統計
需要側で増加、供給側で減少、総合的に判断すると小幅に減少
2019年01月11日
-
新指標、消費動向指数(CTI)に注目
他の消費関連統計や統計的手法で家計調査を補完
2018年03月09日
-
2019,20年度の消費増税・関連対策の影響
消費増税対策の景気下支え効果は大きい半面、財政負担増に懸念
2018年12月25日
同じカテゴリの最新レポート
-
トランプ関税の影響緩和に作用した企業対応
自動車は関税負担吸収で他企業への波及回避/機械は価格転嫁
2025年12月19日
-
2025年11月全国消費者物価
エネルギー価格の伸び率拡大を食料品価格などの伸び率鈍化が相殺
2025年12月19日
-
高市政権の財政政策は更なる円安を招くのか
財政支出の拡大ショックは翌年の円安に繋がる
2025年12月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

