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金融市場は世界経済の減速を織り込み切ったのか?

2019年01月24日

金融調査部 金融調査部長 児玉 卓

サマリー

パウエルFRB議長が利上げ継続に慎重な姿勢を示したことをきっかけとして、金融市場の荒波はやや鎮まり、足元では世界的に株価も反発している。しかし、その持続性は慎重にみるべきだろう。既に、グローバル経済の焦点は、金利から景況感に移行している。中国では、高度成長から中速成長への移行をソフトランディングさせる上で重要な役割を果たしてきた家計消費が、これまでにない落ち込みを示している。米国でも企業の景況感が悪化し始めた。その一因は米中貿易戦争にあるとみられるのだが、自国景気の本格的な悪化を回避するためにも保護貿易主義は得策ではないという当然の理屈が必ずしも通用しない現在の米国政治のありようが、同国の政策と経済の先行きを著しく見通しにくくしている。企業の景況感の悪化がより深刻化したとき、それを食い止める上でFRBにできることはあまりない。そして、米中にダウンサイド・リスク満載の中、輸出依存度の高い欧州が立ち直りのきっかけをつかむことも困難であるようにみえる。IMFなどは世界経済見通しを下方修正しているが、各種の予測機関、そして金融市場が世界経済のダウンサイド・リスクを十分に織り込んでいない可能性があることは踏まえておくべきだろう。繰り返される下方修正と、その根拠となるネガティブサプライズが、金融市場を揺るがす状況がしばらく続く懸念がある。

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