サマリー
◆<4-6月期 GDP個人消費>野菜価格の高騰や悪天候といった一時的な下押し要因が剥落し、2四半期ぶりに増加したとみている。需要側統計でみる実質消費支出は、家計調査では前期比▲1.4%となったものの、購入頻度が少ない高額商品などのぶれを補正した総世帯の消費支出を示すCTIミクロでは同+0.7%と増加している。また、供給側の商業動態統計の小売販売額は同+0.5%となった。結果、基調を見る上で有用な、需要側と供給側の統計を合成したCTIマクロは同+0.4%とプラスとなった。
◆<6月消費>需要側・供給側統計の双方において増加した。消費支出は2018年に入り弱い動きが続いていたものの、一旦持ち直しとなった。需要側統計では、「食料」や「住居」が押し上げに寄与した。例年より梅雨の期間が短かったことで、外食などが増加している。また、供給側統計では、百貨店や総合スーパーが好調であった。月後半の高温により、衣料品などの夏物商品への需要が高まったことなどが押し上げ要因となった。
◆<猛暑と消費>猛暑は、過去の例に照らすと消費にプラスの影響を与えるが今年は異常気象と言えるほどの酷暑であることに注意が必要だ。加えて、西日本豪雨などの特殊要因もあった。気温上昇により季節商品への需要が高まり、一時的に消費は押し上げられる。一方で、猛暑日には外出が控えられ、サービス消費が押し下げられるという面もある。また、今年は西日本豪雨に加え、あまりの酷暑に農作物への被害も出ている。それに起因する生鮮食品を中心とした食品価格の高騰は、家計の節約志向を強めるだろう。
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