サマリー
◆6月の生産指数は前月比▲2.1%となり、2ヶ月連続で低下し、コンセンサス(同▲0.3%)も下回った。一方、4-6月期の生産は前期比+1.2%となり、1-3月期(同▲1.3%)から増産へと転換した。また先行きは、製造工業生産予測調査で見ると、7月:前月比+2.7%、8月:同+3.8%となっている。なお、7月の先行き試算値(生産計画のバイアスを補正した値)は同+0.2%であり、わずかにプラス推移となる可能性が高い。
◆業種別では、はん用・生産用・業務用機械工業や化学工業(除.医薬品)が減少した。品目別では半導体製造装置などが減少に寄与した。半導体製造装置は6月輸出においても減少しており、外需の弱さが影響したものとみられる。はん用・生産用・業務用機械工業は、高水準が続いているものの、在庫も減少しており、先行き不透明感から在庫調整をしている可能性がある。また、化学工業(除.医薬品)においては、化学製品の6月輸出は前年比プラス幅を縮小しているがその幅は小さく、内需の減少も影響したものとみられる。
◆7月以降に関しては、非常に緩やかな増産を見込んでいる。国内向けの設備投資と輸出の拡大基調が、生産を押し上げるであろう。ただし外需には下振れリスクがある。足下では米国が保護主義的政策を押し進める一方、各国も対抗措置を取り始めており、世界貿易の停滞には注意が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年11月雇用統計
失業者数が減少し、雇用環境の改善が進む
2025年12月26日
-
2025年11月鉱工業生産
自動車の減産などが押し下げ要因/当面の間は軟調な推移を見込む
2025年12月26日
-
トランプ関税の影響緩和に作用した企業対応
自動車は関税負担吸収で他企業への波及回避/機械は価格転嫁
2025年12月19日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
-
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
-
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日
日本経済見通し:2025年10月
高市・自維連立政権の下で経済成長は加速するか
2025年10月22日
非財務情報と企業価値の連関をいかに示すか
定量分析の事例調査で明らかになった課題と今後の期待
2025年11月20日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
第227回日本経済予測
高市新政権が掲げる「強い経済」、実現の鍵は?①実質賃金引き上げ、②給付付き税額控除の在り方、を検証
2025年11月21日
グラス・ルイスの議決権行使助言が大変化
標準的な助言基準を廃し、顧客ごとのカスタマイズを徹底
2025年10月31日

