サマリー
◆2018年1-3月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前年比+3.2%、経常利益は同+0.2%と増収増益となった。一方、季節調整値で見た経常利益に関しては、3四半期ぶりに増加した。製造業の経常利益が3四半期連続で落ち込んだものの、サービス業など非製造業は2四半期連続で増益となったことが寄与した。
◆2018年1-3月期の全産業(金融業、保険業除く)の設備投資(ソフトウェア除く)は前年比+2.1%と6四半期連続で増加したが、増加率は半減した。季節調整値で見ると、前期比▲0.0%となり、ほぼ横ばいに留まった。先行きの設備投資は、緩やかながらも増加基調を継続するとみている。高水準の企業収益と労働需給の引き締まりを背景として、人手不足に対応した合理化・省人化投資が期待されよう。また、競争力を維持するために、設備の更新や研究開発投資も欠かせない。しかし、企業の期待成長が高まらない中では、設備投資の水準は、キャッシュフローを大きく下回り、減価償却費を一定程度上回るレベルに留まる傾向が続くだろう。さらに、資本ストック循環などを見ると、景気は成熟局面に位置しており、中期的には、設備投資の伸びは徐々に鈍化するとみられる。
◆今回の法人企業統計の結果を受けて、2018年1-3月期GDP二次速報(6月8日公表予定)では、実質GDP成長率が前期比年率▲0.3%(一次速報:同▲0.6%)と、一次速報から僅かに上方修正されると予想する。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年5月全国消費者物価
米価格の上昇が他の食料品や外食など関連品目の価格にも波及
2025年06月20日
-
2025年5月貿易統計
輸出数量は横ばい圏を維持も、円高効果等で輸出額は8カ月ぶりに減少
2025年06月18日
-
2025年4月機械受注
民需(船電除く)は減少し、コンセンサス通りの結果だった
2025年06月18日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
-
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
-
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
-
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
-
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日
日本経済見通し:2025年4月
足元の「トランプ関税」の動きを踏まえ、実質GDP見通しなどを改訂
2025年04月23日
中国:2025年と今後10年の長期経済見通し
25年:2つの前倒しの反動。長期:総需要減少と過剰投資・債務問題
2025年01月23日
信用リスク・アセットの算出手法の見直し(確定版)
国際行等は24年3月期、内部モデルを用いない国内行は25年3月期から適用
2022年07月04日
「反DEI」にいかに立ち向かうか
米国における「DEIバックラッシュ」の展開と日本企業への示唆
2025年05月13日
中国:関税115%引き下げ、後は厳しい交渉へ
追加関税による実質GDP押し下げ幅は2.91%→1.10%に縮小
2025年05月13日