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2018年2月雇用統計

就業者は2ヶ月連続の大幅増、ただし男性の増加には疑問点

2018年03月30日

経済調査部 エコノミスト 山口 茜

小林 俊介

サマリー

◆2月の完全失業率(季節調整値)は、前月から0.1%pt上昇し2.5%となった。男女ともに就業者は大幅に増加した。年初から新たな労働参加の動きが強く、内容としては良好だ。ただし、男性の就業者増加の主因は自営業主・家族従業者の大幅な増加であり、一時的なぶれにすぎない可能性が考えられる。他方、2月の有効求人倍率(同)は、前月から0.01pt低下し1.58倍、新規求人倍率(同)は前月から0.04pt低下し2.30倍となった。また、正社員の有効求人倍率(同)は前月から横ばいの1.07倍となった。

◆1月の現金給与総額(速報値)は前年比+0.7%と6ヶ月連続で増加した。内訳を見ると、所定内給与(同+0.2%)、特別給与(同+9.3%)が増加し、所定外給与は横ばいであった。特に一般労働者の特別給与の増加(同+9.5%)が全体を押し上げた。

◆2018年の春闘に関して、連合によると、足下までの賃上げ率は第2回回答集計時点で2.17%となった。昨年よりやや高い水準でのスタートとなったものの、2000年以降で賃上げ率が最も高かった2015年の第2回回答集計時を下回っており、政府が要請する3%にはほど遠い。ただし、ベアは2015年に引けを取らない水準にある。しかし、物価が大きく上昇している現状を踏まえると、消費拡大につながるほどの力強さはない。

◆先行きの労働需給はタイトな状況が続き、失業率は上下しながらも2%台半ばで推移するとみている。失業率は1980年に1%台を記録しているが、今後その水準まで低下するには、職種に関するミスマッチの解消が必要だ。また、2019年度以降導入予定の残業規制等を背景に、企業の人手不足感は一層強まるとみている。特に人手不足が深刻な産業では、正社員化や賃金引上げといった処遇の改善や省人化投資が必要だろう。

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