サマリー
◆2018年1月の企業関連の指標を見ると、鉱工業生産指数は、前月比▲6.8%と4ヶ月ぶりに低下した。他方、機械受注(船舶・電力を除く民需)は、同+8.2%と2ヶ月ぶりに増加した。需要者別に見ると、製造業(同+9.9%)、非製造業(船舶・電力を除く)(同+4.4%)ともに増加した。製造業の受注は、2018年1-3月期は前期比▲7.0%の見込みであるが、1月実績はこれを大きく上回っており、堅調さを維持する可能性が高い。また、非製造業は足下で横ばい圏の推移となっている。
◆2018年1月の家計調査によると、実質消費支出は季節調整済み前月比+2.8%と2ヶ月ぶりに増加した。同指標は、均してみればほぼ横ばいの推移を続けている。他方、1月の完全失業率(季節調整値)は前月から0.3%pt低下し2.4%となった。また、有効求人倍率(季節調整値)は前月から横ばいの1.59倍、正社員の有効求人倍率(季節調整値)も前月から横ばいの1.07倍となった。
◆今後発表される経済指標では、3月30日発表予定の2月の雇用関連指標(労働力調査・一般職業紹介状況)に注目したい。1月の労働力調査では、雇用環境の大幅な改善が見られた。就業者数が大きく増加した一方、失業者数、非労働力人口はともに減少した。労働参加が進んだ上で失業率が大幅に低下しており、内容としては良好だ。他方、1月の一般職業紹介状況では、それとは方向性の異なる結果が出ている。新規求人数は大幅に減少した。内訳を見ると、特に正社員の落ち込みが大きい。双方に関して、単月でこれほど大きな変化となっている点、そして、方向性の異なる結果が出ているという点が気にかかる。原因として、季節調整がうまくいっていないという可能性や、特殊要因があった可能性も考えられる。2月も同様の傾向が続くのかに注目したい。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
2025年4月全国消費者物価
エネルギー高対策の補助縮小や食料価格高騰が物価を押し上げ
2025年05月23日
-
AI時代の日本の人的資本形成(個人編)
AI時代を生き抜くキャリア自律に向けた戦略
2025年05月22日
-
2025年3月機械受注
民需(船電除く)は事前予想に反して2カ月連続で増加
2025年05月22日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
-
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
-
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
-
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
-
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日
「相互関税」による日本の実質GDPへの影響は最大で▲1.8%
日本に対する相互関税率は24%と想定外に高い水準
2025年04月03日
「相互関税」を受け、日米欧中の経済見通しを下方修正
2025年の実質GDP成長率見通しを0.4~0.6%pt引き下げ
2025年04月04日
米国による25%の自動車関税引き上げが日本経済に与える影響
日本の実質GDPを0.36%押し下げる可能性
2025年03月27日
2025年の日本経済見通し
1%台半ばのプラス成長を見込むも「トランプ2.0」で不確実性大きい
2024年12月20日
日本経済見通し:2025年3月
トランプ関税で不確実性高まる中、25年の春闘賃上げ率は前年超えへ
2025年03月24日