サマリー
◆2017年1-3月期の全産業(金融業、保険業除く)の売上高は前年比+5.6%、経常利益は同+26.6%と増収増益となった。経常利益(季節調整値)に関しては、2四半期連続で過去最高を更新した点が注目される。これはドル円レートが2016年末に円安方向に転じた影響が出たほか、輸出と国内生産の持ち直しを受けて製造業の経常利益が過去最高を記録したことが主因である。
◆2017年1-3月期の全産業(金融業、保険業除く)の設備投資(ソフトウェア除く)は前年比+5.2%と、2四半期連続で増加した。季節調整値で見ても、前期比+1.3%と3四半期連続のプラスとなった。先行きの設備投資は、緩やかながらも増加基調を継続するとみている。良好な企業収益と労働市場の引き締まりを背景として、特に非製造業で人手不足に対応した合理化・省人化投資が期待できる。さらに、輸出と生産の持ち直しを受けて製造業の設備稼働率が上昇傾向にあることも、今後の設備投資に対してプラスに作用すると考えている。
◆今回の法人企業統計の結果を受けて、1-3月期GDP二次速報(6月8日公表予定)では、実質GDP成長率が前期比年率+3.2%(一次速報:同+2.2%)と、一次速報から上方修正されると予想する。基礎統計の直近値の反映により公共投資が上方修正となるほか、需要側統計の法人企業統計の結果を受けて設備投資と在庫投資がいずれも上方修正される見込みだ。
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