サマリー
◆2016年11月の貿易統計によると、輸出金額は前年比▲0.4%と、14ヶ月連続で前年を下回ったが、前年比伸び率のマイナス幅は前月から大幅に縮小し、事前コンセンサスも上回った。前月時点では前年比マイナスであった輸出数量が、大幅にプラスに転じたことが、11月の輸出金額上振れの主因である。輸入金額は同▲8.8%と23ヶ月連続で前年を下回った。この結果、貿易収支は1,525億円と3ヶ月連続の黒字となった。
◆季節調整値で見た輸出金額は前月比+4.3%と4ヶ月連続の増加、輸出数量は同+4.5%(季節調整値は大和総研による)と3ヶ月連続の増加となった。輸出数量を地域別に見ると、米国向けが同+1.7%と、3ヶ月連続の増加、EU向けが同+0.9%と3ヶ月連続の増加、アジア向けは同+4.0%と2ヶ月連続の増加となった。品目別では、米国向けの乗用車輸出台数が増加したほか、米国向け、アジア向けで自動車部品の輸出が大きく伸びた。一時的に弱含んでいたアジア向けIC、記録媒体の輸出数量が増加に復したことも全体をけん引した模様である。
◆先行きの輸出は、海外経済が緩やかな成長を続けるなか、緩やかな増加基調が続く公算が大きい。ただし、海外需要の回復が本格的かつ継続的に発現するまでには時間を要する可能性もある。加えて、保護貿易主義に向けた動きが世界的に広がりを見せた場合には、グローバルな貿易金額が大幅に縮小する可能性もあることから、相応のリスクが残存していることに注意が必要である。
このコンテンツの著作権は、株式会社大和総研に帰属します。著作権法上、転載、翻案、翻訳、要約等は、大和総研の許諾が必要です。大和総研の許諾がない転載、翻案、翻訳、要約、および法令に従わない引用等は、違法行為です。著作権侵害等の行為には、法的手続きを行うこともあります。また、掲載されている執筆者の所属・肩書きは現時点のものとなります。
同じカテゴリの最新レポート
-
消費データブック(2026/8/5号)
個社データ・業界統計・JCB消費NOWから消費動向を先取り
2026年08月05日
-
2026年4-6月期GDP(1次速報)予測~前期比年率+2.9%を予想~
個人消費の増加と中東情勢による輸入の減少で3四半期連続プラス
2026年07月31日
-
2026年6月雇用統計
失業率は2.5%と前月から横ばい、就業者数は減少
2026年07月31日
最新のレポート・コラム
よく読まれているリサーチレポート
-
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
-
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
-
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
-
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
-
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日
26年度最低賃金改定のポイント①
高市政権はより緩慢な引上げを容認/改定内容への説明責任が焦点
2026年07月09日
中国経済見通し:成長率目標に早くも黄信号
12.5%追加関税の影響は限定的だが、内需が急減速
2026年07月28日
令和9年度介護報酬改定に向けた注目点
改革工程に掲げられた重要論点の具体化が求められる
2026年06月29日
26年度最低賃金改定のポイント②
全国加重平均は1,160円台(4%前後の引き上げ)に着地か
2026年07月21日
骨太方針のポイント① ~危機管理投資・成長投資で高成長を実現できるか
米国を上回る生産性向上ペースが必要で成長戦略の進捗管理も課題
2026年07月13日

