サマリー
◆2016年6月の貿易統計では、輸出金額は前年比▲7.4%と9ヶ月連続の減少となった。為替の円高方向への推移を受けた輸出価格の低下を背景として、前年比で見た輸出金額は減少が続いている。一方、輸入金額は同▲18.8%と18ヶ月連続の減少となり、結果として貿易収支は6,928億円と2ヶ月ぶりの黒字となった。輸出数量の持ち直しや、円高方向への推移に伴う輸入金額の減少などを受けて、貿易収支の黒字幅は緩やかながら拡大傾向にある。
◆先行きの輸出は、強弱入り混じりながらも横ばい圏での動きを続ける公算が大きい。世界全体の緩和的な金融環境に支えられる形で家計消費関連需要は相対的に好調である一方、低稼働率と資源価格の低迷が続く中で企業部門需要に相当する素材・資本財の本格的な回復には相応の時間を要するだろう。
◆さらに、中長期的には、Brexitの影響が輸出の下押し圧力となる可能性が懸念される。年内妥結を目指して交渉が行われていた日欧EPAは協議難航が予測されている。さらに、英国に拠点を置いている企業は欧州戦略の再考を強いられるなど、Brexitが日英、日欧間の貿易構造に及ぶ影響は小さくない。今後の離脱交渉、通商交渉の展開に注視が必要であろう。
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